酸っぱい梅のタネあかし

酸っぱい梅のタネあかし

【1.酸っぱさの素、酸いろいろ】

乗り物酔いや吐き気に梅干しが効くとされるのは気のせいではなく、実際、梅干しの中の「ピクリン酸」といわれる酸が、身体へ作用しているからなのです。梅の酸っぱさの素は「有機酸」であり、梅の果実部に含まれる高濃度(4–5%)の酸味主成分が、これにあたります。有機酸の種類には色々ありますが、中でもクエン酸、ピクリン酸が、特に私たちの身体の強い味方となっているのです。

◎クエン酸・・・食物中に付着する病原性バクテリアに対し、抗菌・整腸・解毒作用を果たす
◎ピクリン酸・・・肝機能の活性化を促し、血液の浄化をもたらす そういえば梅は「三毒(食べ物・血液・水の毒)を断ち、その日の難をのがれる」と昔から伝えられていますね。この三毒を退治してくれるのも、梅の有機酸といえるのです。

【2.原産国よりも酸っぱい!日本製梅干し】

お弁当やおにぎりといえば「梅干し」というほど、日本人にとって梅は身近なものですね。でも意外にそのルーツは日本ではなく、中国の四川省、湖北省方面なのです。中国では2000年も昔から、梅の実を薫製にして天日干しにした烏梅(ウバイ)を薬用にしてきました。烏梅の効用は解熱、咳止め、下痢止め、回虫駆除といわれていましたが、これが日本に入ってきたのは、今からおよそ1500年前のこと。日本の梅加工の特徴は「酸っぱい」ことで、原産地中国の人は、日本の梅を「酸梅」(サンメイ)と呼んでいるそうです。梅を食用とするのは、日本と中国のみだそうですから、中国で梅干しを食されたことがある方は、その違いがわかるかもしれませんね。

【3.酸っぱいのにアルカリ性?】

梅干しのイメージといえば、とにかく「酸っぱい」こと。レモンと同じくらい、「酸っぱい」ものの代名詞になっていますね。梅干しを苦手とする方は、その酸っぱさゆえ苦手、という場合が殆どでしょう。食品には「酸性食品」「アルカリ性食品」の2つがあるということをお聞きになったことがあるかと思いますが、この分類は、その食品が体内で燃焼分解された後、どのような性質の灰が残るかによって決まるといわれています。例えば、野菜や果物、海草類はアルカリ性食品とされています。その理由は、野菜・果物類がナトリウム、カリウム、カルシウムなどのアルカリ塩を豊富に含み、体内で分解された後はアルカリ性の灰を残すからなのです。この分類によると、夏みかんやレモン、そして梅干しまでもが「アルカリ性食品」になってしまうのです。つまり、「舌で感じる酸っぱさ」とは必ずしも一致しないのですね。 その他の御参考として、

◎白米、パン、麺類、肉類、卵、魚介類・・・酸性食品
◎大豆、牛乳、キノコ、牡蠣・・・アルカリ性食品

とされています。アルカリ性食品=健康食のイメージがあり、またそれに乗じた商品の宣伝を見かけることも多くありますが、酸性食品を食べるだけで、血液が酸性になるということはありません。身体には恒常性を保つ機能が備わっているため、健康な人の場合、血液は常に弱アルカリ性に保たれています。健康情報に振り回され、ある一定ものだけを食べ続けることは、かえって偏った栄養素のみを摂取することにつながってしまいます。大切なのは、身体を作りエネルギー源となる酸性食品と、身体の調子を整えるビタミン、ミネラル類を多く含むアルカリ性食品の両方を、バランス良く食べることなのです。