第05話|学校のはなし(陰)

ワナにご用心

資格をとるためには、高卒3年間、専門学校に通わなければなりません。
しかも、厚生省か文部省の認可を受けた指定校でなければなりません。
巷には、いろんな学校やそれっぽい名前のセミナーがひしめいています。
「××学院スポーツトレーニング科」とか「××指圧セミナー」などなど。
パンフレットに、 「認定書発行」「許可書を交付」  なんて書いてあると、「この学校さへ出れば資格が取れる!」と思ってしまいますよね。しかも1年で卒業できたりすれば、願ったり叶ったりです。  セミナーを出て我が物顔でいる人と、改めてマッサージの学校に入学し直した人、その両方を僕は知っています。みなさん、騙されないようにしてください。
スゴイ資格です

あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許、きゅう師免許の、どれが一つでも取得するということは、日本国内において、考えようによってはとてもスゴイ権利を持ったことになります。
免許があると、単独で患者さんの身体に触れて、じっくり診察して実際に治療まですることができるのです。日本の法律では、同じことができる資格は、医師、歯科医師、柔道整復師だけなのです。医師が絶対的な力を持っている国内で、自由に診察できるということは、とてもスゴイことです。 そのため、熱心な薬剤師さんの中には、自分で診察がしたいために、わざわざあん摩マッサージ指圧師の免許などを取ってしまう人もいるくらいなのです。  こんな免許を取るためなんだから、学校では相当厳しく実技指導が行われているんだろうな、と思うでしょう?

ところが・・・

全然そんなことないんです。なにせ国家試験の問題かマークシートだけですから、とにかく机に向かって問題の練習しないといけません。それに3年間でかなりの量を詰め込みますから、実技なんかやってる時間はありません。
学校によっては半日しか授業がないところもあるし。 かといって、インターン制度があるわけでもありません。免許を取れば、すぐに一人で開業しても良いのです。職場実習なんて、あってないようなものです。治療院で実習して病院に就職する人なんて、わんさといます。 個人開業が認められず、医師の元で働く理学療法士の学校では、学生時代に一回8週間の職場実習を、最低二回はこなさなければなりません(カミさんの時代は3回だったそうです)。  僕が在籍していた千葉の盲学校には、大きな治療室がありました。二年生の終わりから卒業するまで、だいたい一日おきくらいに臨床実習があり、先生の指導を受けながら地元の方々を治療させていただきました。「試験が終わったのにまだ臨床かよ」などと思ったりしましたが、振り返ってみるととても恵まれた環境でした。  でも、こういう学校はまれのようです。だからみんな、学生時代からアルバイトをします。免許がないと治療してはいけないんだけど、実習の場もないしお金もないから、アルバイトします。  受け入れ先が優秀ならまだ救いですが、技術がある人と教えるのが上手な人は違います。そのため・・・。もう、お分かりですね。  この業界はいったいどこへ向かっているのかなあ、などと考えると、なんだか憂鬱な気分になってしまいます。