第03話|気になる給料のはなし

気にしなくていいくらいの金額です

東京都町田市は、かなりのマッサージ激戦区だと思います。
クイックはもう下火だよ、などと話していたら、またしても新手が続々と開業しました。 はたから見たら、「マッサージって儲かるんだなあ」と思われるかも知れません。
でもご安心下さい。僕たちはたいてい、そんなに稼いでいませんから。
おそらく治療院やクイック・マッサージ店に勤務している人で、20万円前後から、多くて30万ちょっとくらいの月給でボーナスなし、といったところでしょう。もちろん休みはローテーションで、日曜も祝日も関係ありません。もちろん、退職金なんてアテになりません。肉体労働だから、年とともに辛くなってくるし、サラリーマンや公務員を辞めてまで転職するほど、この業界はおいしくありません。

身の振り方あれこれ
免許取得後の進路は、開業と就職という二つの進路に別れます。  開業はお金がある人のすることです。かなりの額が必要ですよ。込み入った話もあるし、開業については回を改めてお話しましょう。  では、就職です。

■病院へ就職
とにかく安定した生活を送りたいなら、病院就職がおススメです。
大きければ大きいほど良いでしょう。
ボーナスも退職金ももらえるでしょうから、サラリーマン並みには稼げるはずです。
でも、病院に勤めるということは、ある程度会社勤めと似た面が出てきますので、あらかじめご覚悟を。
わずかですが、企業への就職もあります。
ヘルスキーパーというヤツで、従業員を対象にして治療を行ないます。
病院と同じくらい安定しています。
でも、企業も病院も経営難ですから、油断は禁物です。

■治療院への就職
ゆくゆくは開業したい人にイチ押しです。おカネよりも、勉強第一に考えて、先生を選んで弟子入りすると良いでしょう。
僕の友人は、1年間住み込みで治療院に勤めました。
時間の空いた時には指導を仰ぐことができましたが、その代わり、時々お小遣い程度のお金をもらっただけだといいます。
最近では治療院も給料制や歩合制をとる場合も増えてきましたが、母体が個人経営ですので、思うようには稼げません。
ちなみに、僕は月給をいただいています。

■サウナへの就職
バブリーな時期は、けっこう稼げたようです。
僕も94年にサウナで働きましたが、1晩で2万円以上稼いだことがあります。
でも、たいていは1万円くらいでした。
午後6時半から朝3時まで、週に4日の勤務でした。
たいていが、6対4などの歩合制です。患者さんが来れば稼げますが、一人も来なければ出勤していても0円です。
それに、指名制度を取り入れている所も多く、新人は腕を上げるまで苦労します。
競争社会だから、誰も技術を教えてくれないし。
稼げる場所ならば、朝から夜中まで働き通して、月40から50万円くらい荒稼ぎできるかも知れません。
その代わり、保障はないし重労働です。
それに、最近は不景気だから、思うようには行かないようです。
ちなみに温泉場やホテルのマッサージも、これによく似ています。

■クイック・マッサージ店などへの就職
月給制度か歩合制かは、経営者によって違います。
治療院などへ就職すると、なかなか実際に患者さんを治療させてもらえないようなこともありますが、クイックでは、比較的早く治療に参加できるでしょう。
学生や、整体の講習会を受けた人、近所のおばちゃんなどが働いている場合もあります。
僕も経験があるのですが、何人も15分コースをやり続けると、自分が機械になったような気分になってきます。
たくさんの人の身体を診る機会には恵まれるでしょうが、それ以上の発展は難しいかも知れません。
介護関係への就職  老人ホームなどです。
介護保険がスタートして、これに関連した仕事がいくつかあるようです。まったく興味がないので、僕には分かりません。

儲けたい人は他の仕事をしてください

僕はこれまで、サウナとクイック・マッサージ店を経て、現在の治療院に就職しました。
開業と同時ですから、もう3年になりますが、ここがいちばん、僕にはあっていると思います。
僕たちは、人の痛みに付け入り、それをどうにか取り除こうと努力して、お金をいただいています。
ですから、体調の悪い人に向かって「いらっしゃいませ」とか「ありがとうございました」と言って、積極的に商売するのは、なんかヘンな気がします。
だから僕たちは、少なくともそういう言葉は絶対に使わないようにしています。
患者さんが思うように来院されず、焦ることもありますが、商売根性をむき出しにしなくても、僕は妻と二人でなんとか食べてます(共働き)。
僕はそれだけで良いと思っています。治療をしながら会話をして、教えられたり励まされたり、治って感謝されたり、治らなくて失望されたり……。
この仕事が好きなのだなあ、と感じられるからです。

とはいえ、今日はちょっと焦ってます。この原稿を書いている60分間、患者さんが一人もいらっしゃらないのです。