第10回|鍼って痛くない?

「鍼って刺しても痛くない?」という疑問は最初は誰しも持つものなのですが、実は古代中国においては結構痛いものと認識されていたようです。以前、古本屋で立ち読みした中国の科学について書かれた本の中で、「扁鵲(へんじゃく・人名)の鍼は確かに効くがその痛みは身体の中に電気が走るようである。」と書かれていて、その治療効果は認められていたものの、そのあまりもの痛さに鍼は最後の手段として普及していなかった、というよういな事が書かれていました。

内容については大体あっていると思うのですが、細かいところは自信がありません。ところで扁鵲というのは鍼灸師なら誰もが知るほどの名医です。確かに今ほど細い鍼は、材質的にも技術的にも作れなかったでしょうから、さすがの名医も痛みを無くすことは出来なかったのでしょう。もちろん、わざと響かしたとも考えられますが、一般的にやはり痛かったでしょう。

よく東洋医学は2000年前から進歩していないと言われますが、少なくとも鍼の材質に関しては発達しています。もちろん金の鍼や銀の鍼も魅力的ですが、ステンレス鍼が普及してからは、その耐久性と価格は十分鍼の進歩を示しています。技術や理論の話は又の機会に。