第06回|「気」が見える!?

今回は「気が見える」とか「悪いところが分かる」という人に関してです。私たちの業界にはこういう人がよくいます。宗教団体に次いで数としては多いのではないでしょうか。実は私がこのコラムを作ろうと考えたのも、この様な人達に対する正しい考え方をしていただきたいということもきっかけでした。

ご存知のように東洋医学は「気」の医学です。「気」の存在なしには語れないのです。このことが西洋医学や一般の患者さんに大きな誤解をもたらします。「気」とは一体何?「そんなものがあるのか、もしなければ東洋医学は本当に効くのか。」或いは、「そんなものないのだから東洋医学はいかさまだ。」

これに対し鍼灸学会などはその正体を突き止めようと躍起になります。その結果様々な学説が飛び交いますが、どれも東洋医学の理論を完全に説明できるものではありませんでした。その一方「気」が見えるという人が存在します。これはその人だけに見えているわけですから、周りの人には分かりません。本当に見えているのか、嘘をついているのかも知れません。

私の知っているだけで、かなりの数の「気」が見える人がいます。私はその人達を否定も肯定もしません。ただ言えることは、別にどっちでもいいということです。ある鍼灸師は「気」が見えるから悪いところが分かると言います。私は「気」が見えませんが、悪いところはある程度分かります。この二人に何か違いがあるのでしょうか?要はその患者さんが治ればいいわけです。これが第一です。その「気」が見えるという人の患者さんを治療したことがありますが、その患者さんが言うには「その先生は気が見えるからすごい」と言うのですが、「それではなぜここに来たのか?」と聞くと、「あそこは鍼灸なので、私のような肩こりには効かない」と言うのです。

つまり悪いところは分かるが治療はへたであるということでしょう。これは薄暗い見知らぬ土地で、懐中電灯を持つ方が良いか、その土地の詳しい地図とお金を持つ方が良いかということだと思います。あなたならどちらがいいですか?やっぱり見えたほうがいいですか?それとも…。